【第４章　なっち推しの絆】

日曜日の第２回公演は、なっち卒業の回となったため、ＦＣ会員先行でさえも激戦となり、いわんや

一般発売をやの状態で、チケットの確保は大激戦となった。

ことこの公演のチケットはネットの世界では高値取引が横行し、一部には８０万円で落札されたとの

情報も広がったほどである。相場は７〜８万円前後かと思われた。

さて、そんな公演に私は北スタンド１列目という好位置で参戦できる運びとなった。

この横浜アリーナ公演では、センター席の中央部が３０列目付近まで花道としてセットされており、

ステージ近くの席だけが格別に良席というわけではなくなった。なかなか良い流れである。

念には念を入れて、早いうちから入場することにしたが、やはり相当時間がかかっている。途中で

パーマーさんが顔を出してきた。氏は夜公演に入場しないが、近所だからという理由でいらしたらしい。

Ａｙｕｋｉ企画ではなっちに贈る色紙を用意していた。ただ、書く人数がそう多くないので２枚の色紙

は若干持て余し気味になった。それならそうと、始めに言ってくれればもっと大々的に書けたのだが、

今さらそれを指摘する時間もないし、その気もない。

少し遅れていたゴーけい君も到着し、全員思いのたけを色紙に書いて、プレゼントのコーナーに太さんと

Ａｙｕｋｉくんが持っていった。時間はもう６時２０分になる。さっきまで遅々として進まなかった入場

も、一気に早くなった。検査を簡素化したのだろう。

ということは、いよいよ開演が近づいているのだ。

２階に上がったエスカレーターの脇で、仲間たちが集結した。

ノーちん・太さん・Ａｙｕｋｉくん・空さん・てんさん・ゴーけいくん・わちゅ・ＨＩＤＥくん・私。

久々に円陣を組んで、いざライブ前。ご発声はノーちんと誰もが言った。

「いよいよ最後なんで、想いをぶつけて行きましょう！」

全員の想いが共有された瞬間、

「がんばっていきまっ…」

「しょい！！」

それぞれが自分のエリアに向かい始めた。

私は北スタンド１列７０番。センターステージを望む、しかも前に視界をさえぎるものがない席である。

左隣はさほどうるさくなさそうな感じだが、右隣ははっぴを着込んだなっちヲタであった。

最終公演の隣人として不足はない。

午後６時４０分。

１０分遅れでメモリアル・ステージが幕を開けた。