ハロープロジェクト・キッズの進化

〜15人の少女たちのあゆみ〜

(このパートのテキストは、2004年9月に追加記載したものです)


5.熱すぎる夏とキッズのこれから(2004年7月〜)


2004年の夏も、恒例の「Hello!Project」のライブからスタートする。

名古屋で初日を迎えた公演でのキッズの扱いは、かつてないほどの厚遇であったと言える。

Berryzが娘。前に3曲も披露したことを筆頭に、

梅田えりか・矢島舞美・村上愛・鈴木愛理の4人が

「乙女 パスタに感動」を歌った

という大事件(爆)も起き、周辺では大評判となった。

キッズメンバーとその他ハロプロメンバーのジョイントでのトークコーナーも設けられ、なお一層ハロプロの中に

溶け込んだ印象である。

Berryz工房はこのツアー初日から4枚目のシングル「ハピネス〜幸福歓迎!〜」を披露した。


このツアー初日と同じくして、フジテレビで開催された「お台場冒険王2004」のイベントの一つとして、Berryzの

メンバーのうち、清水佐紀・嗣永桃子・夏焼雅・徳永千奈美の4人が出演した短編映画が

上映された。

Promise Land〜クローバーズの大冒険〜」がそれである。

この映画は、期間限定・ここでしか上映されないという触れ込みであった。私も数回足を運んだが、そのたびに

見たことのある顔がいたのが面白かった。もちろん、お台場冒険王に遊びに来た一般の人々もいたことはいたが

絶対数はそれほど多くなかった。上映スペースはフジテレビ社屋内にあるが、これがなかなか立派で、普通の

映画館としても十分に機能できそうなものだった。

映画の中で、彼女たちは演技ながら真剣モードで衝突している。自ら「見どころです」と言っているが、確かに

あの衝突はリアルであった。これまで衝突のシーンは「仔犬ダンの物語」でのほんのワンシーンに見られた程度で

あったから、久方ぶりだ。

先輩・後藤真希も出演していたが、よく見るとBerryzの面々とは本編中に一度も「共演」はしていない(笑)。

上映期間前半の7月28日には、メンバーが来場し、握手会を開催した。

急遽の決定とはいえ、ファンの反応は鋭かった。平時ならば当日券も余裕アリなのに、この日に限っては平日にも

かかわらず当日券までが売り切れになる盛況であった。


そして、8月にはこんなニュースが飛び込んできた。

村上愛・鈴木愛理、ミュージカルに出演!

11月下旬から年末にかけて開催される「34丁目の奇跡−HERE'S LOVE−」に出演するという。

スーザン・ウォーカー役のダブルキャストというので、チョイ役なんてものではない。

本格的な舞台に挑戦というから、これは是が非でも行きたいと思う。

また、アンサンブルメンバーで萩原舞・岡井千聖も出演することになっている。

いわゆる「非Berryz」のメンバーの活躍が見れるのはキッズ全体を見ていた者にとっては嬉しいことだ。


ところで、2004年の夏は、1994年以来10年ぶりの酷暑に襲われた夏でもあった。

東京では7月20日に39.5℃という記録をたたき出し、夏らしさを欠いた2003年を帳消しにするような

日々だった。

そして、この夏の後半戦は、Berryzにとっての正念場でもあった。

8月10日・千葉県、市原市民会館から、いよいよWとのジョイントツアーが開始された。

披露した曲こそ少なく、まだまだ荒削りな印象こそ拭えないものの、フレッシュな魅力たっぷりのステージを

繰り広げ、概ね好評を博していた。


しかし。

コンサートツアー3箇所目となった神奈川県民ホール(8月15日)の夜公演で、それは起きてしまった。


かねてより体調がすぐれないようだった嗣永桃子・菅谷梨沙子が途中で退場し、6人での

ステージを敢行せざるを得なくなったのである。

我が地元の公演だったので、たまたまその場に居合わせたわけだが、場内は騒然とした空気に包まれた。

キャプテンまでもが袖に呼ばれ、残った5人のメンバーたちの不安そうな表情ば焼きついて離れない。

そんな中で「ちょっと待っててください」と告げてくれた夏焼雅に感謝。こういう時に機転が利くのは大きい。

場内はいつしか「桃子コール」が響き渡る事態となった。

結局この日は6人で最後まで進行され、歌のパートは抜けっぱなし、ヲタのフォローも続かないという痛々しい

状況を呈した。この次に行われた名古屋公演からは、1曲カットされたが、致し方ない。


その後、8月下旬からはメンバーの体調が回復したようで、ポジションは変わったが曲数は復旧したらしい。

何にしても体調第一であるから、その辺の管理はきちんとしてほしいものである。


夏休み最終日となる8月31日。

前日まで大型台風の進路いかんでは中止さえも危惧されていたイベントだが、天気は回復した。しかしながら

強風だけはなかなか止まなかった。京王線ゲートからのゴンドラは運休が続いていた。

イベント会場はよみうりランド・オープンシアターEAST。ここでキッズが1日に2本のイベントを張った。

真っ昼間に「ピカピカGirlz夏祭り」、夕方から「ハピネス〜幸福歓迎!〜発売記念イベント」である。

Berryzのファンは、見る限り大きなお兄さん以上の面々ばかりかと思われるが、同世代近辺の女の子のファンも

多かろうとして、マーガレット・文化放送とのタイアップで実現されたものだった。

触れ込みは5000人だったが、実数は1000人足らずだったという話を聞く。

それでも、同世代の女の子たちとの触れ合いのイベントは成功裡に終わったらしい。後に公表された彼女たちの

コメントでもそれは裏付けられている。

私もしばらく前まで彼女たちと同世代の子を相手に仕事をしていたのだが、この3年ほど離れていたので、シール

交換が流行っているなんて事実は知らなかった。


で、こちらのイベントが少々オシたようで、こちら側(ハピネス発売記念イベント)参加者組は「待て」を喰らうことに。

2つのイベントには厳格な線引きがなされているようである。もとより「Girlz夏祭り」の触れ込みの中には

「女の子ばっかりのイベントだから、安心してきてね」

という文言があった。この部分を尊重しているわけだから、私たちは待つほかないわけである。

しかし、この文言もヲタの前には無力であったことが後に判明することになる。


よみうりランドに夜の帳が下りた頃、イベントは開始された。

こちらのイベントについては、別途レポートを作成したので、こちらを見ていただければと思う。

とにかくステージ周りは光に群がる虫が大量発生し、メンバーも辟易していた。多摩丘陵の一角であるから

自然が豊かなのだが、こういう部分は参ったものである。


キッズ、特にBerryzのメンバーにとって密度の濃すぎる夏休みはあっという間に終了し、9月を迎える。

W&Berryzのコンサートは、10月11日の糸魚川市民会館まで続くことになっているが、そろそろ終盤戦を迎える。

糸魚川を終えたとき、彼女たちがどう成長しているか、最後まで見守りたいと思う。

そして、11月10日には早くも第5弾シングルの発売が決定している。ハロプロ系アーティスト全体を見渡しても、

年5枚のシングルと1枚のアルバムをリリースしたというのは多いほうだと思われる。


毎度思うことは、Berryzのメンバー以外の活躍をもっと見たいということだ。

ライブ以外でも、もっと彼女たちの活躍を見たいと思うのは、私だけではないと信じたい。

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