1.黎明期(キッズ結成前から結成まで)
2002年6月30日、TX系「ハロー!モーニング」特番にて、かねてより募集していたハロー
プロジェクトの小学生部門「ハロープロジェクト・キッズ」(以下「キッズ」)のオーディション
合格者15名が発表された。
当時1年生から5年生まで、約28000人の中から選抜された15人であるから、その倍率たる
や、約1850倍という、信じがたい狭すぎる門だった。
ハロープロジェクト(以下「ハロプロ」)の各アーティストたちのファン層は、旗揚げ当初は圧倒
的に男性が多く、女性、とくに年少者はごく少数派だったはずである。
これに劇的な変化が訪れたのが、1999年の秋だった。
モーニング娘。が「LOVEマシーン」で特大のヒットを飛ばすと、間髪い
れずにプッチモニが「ちょこっとLOVE」で一気にファン層を小学生
クラスまで拡大した。その後、これにとどめを刺したのはミニモニ。の一連の楽曲群であることは
言うまでもない。
この時期を回ると、ライブの客層も変わった。
特攻服に身を包んだ気合の入った軍団に、お手製のミニモニ。の衣装を着た
幼稚園ぐらいの女の子を連れたご両親が同席するという、世にも奇怪な状況になった。
その後、ハロプロ系の大半のライブには、親子席(後のファミリー席)が設置されることになった。
かような経過で、ハロプロのアーティストたちに憧れを持った女の子たちが相当数いるという情勢
になった。
これを受けて開催されたのが「ハロープロジェクト・キッズオーディション」であった。
東京を拠点とした活動で、小学生であるから、東京に通える地域の子を対象とするに過ぎなかった
のに前述の通りの大人数となったのであるから、彼女たちのハロプロへの興味関心度の高さ加減を
物語っている。
かくして選抜された15人の少女は、むろん義務教育最中の小学生であるから、学業を第一優先と
する以上、ハロプロ本体と同等の活動を行うのは難しい。したがって、活動はおのずと学校の長期
休業期間中や土日祝祭日に限られた。
このような情勢下、キッズのハロプロ内における知名度は低迷した。
7月下旬のハロプロ代々木公演のMCで、つんくPらに紹介されて初舞台を踏んでいるが、それ以
降は年末公開の映画撮影に没頭する日々を送っている。
しかし、秋口の番組改編期になって、小さな変化が訪れた。
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