Hello!Project 2005 Winter A HAPPY NEW POWER!
オールスター大乱舞 飯田圭織卒業スペシャル
29 Jan 2005 〜 30 Jan 2005 at Yokohama Arena
[Section 4] THE LEGEND OF MORNING MUSUME.
横浜アリーナ2公演目(29日夜)から、アンコール前にMCまことが登場する部分が見事にカットされる
ようになった。これは前年からの懸念事項だったが、ようやく願いが通じたらしい。
こうでなければ嘘だ。
さて、圭織が再び登場する時には、アリーナ一面にタンポポ畑が作り上げられた。
2002年秋・タンポポ最終公演の際に行った、初めてのサイリウム企画を再現したわけである。
圭織がとっても大事に思っていたユニットを今ふたたび。しかし、物語はまだ続く。
10月頃からずっと企画が練られて、それを見てサイリウムを用意した者、当日の実行部隊に説明されて
サイリウムを持った者、事情は様々なれど、結果が出たことだけは確かであった。
北スタンドから見ていると、スーッと黄色い面積が広がっていくのがはっきりと分かる。
その中を、ゆっくりと圭織が進んでくる。
一面のタンポポ畑を見つめて感慨無量の様子だが、7年間の娘。生活を振り返り、一言一言かみしめるように話してくれた。
23歳となり、いつも平静を保ち、頼られ、親しまれるリーダーとなった圭織。
その大きな姿に、私は娘。への想いをますます大きくするばかりだった。
[KAORI IIDA GRADUATION CELEMONY]
そして、メンバー11人が旅立ち行く圭織へ最後のメッセージを贈る。
BGMはいつもの曲である。
道重さゆみ
飯田さん、卒業おめでとうございます。
(ありがとう)
えっと、あの…飯田さんには…モーニング娘。に入って…まだ…全然慣れてなくて…緊張してた頃に…「さゆ、おいで」って…いつも笑顔で…笑顔で…可愛がってくれて…嬉しかったです。
飯田さんから教えてもらったことは、これからも忘れないで、頑張っていくので、見ててください。
飯田さん、今日も美人です!!
ありがとうございました…
(さゆ…ね、一生懸命がんばっていくんだよ)
はい
(うさちゃんピースは?)
うさちゃんピース!
平成生まれの6期メンバー・さゆ。
圭織とは8歳違いの、地方出身メンバー。
不安なこともたくさんあったに違いない頃から、圭織は彼女を「さゆ」と愛称で呼び、可愛がっていたようだ。
むろん、先輩後輩の間柄であることは間違いないのだが、それ以上に姉妹のような感覚もあったに違いない。
可愛い妹から、大好きなお姉ちゃんへ、最後のメッセージ。
田中れいな
[すでに号泣&嗚咽混じり]飯田さん…卒業おめでとうございます…
初め会った時は…怖くて…ずっと、話せるかなとか…思ってたけど、今では…『れいな』とか
呼んでくれたし…いっぱい喋れたりして、嬉しかったです…ホントにこれからも頑張ってください…
飯田さん大好きです…
(ありがとう…頑張り屋のれいな、頑張んだぞ!)
はい…
加入以来これまで、圭ちゃん・なっち・あいぼん・ののと4人の先輩を送り出してきたが、一度として
涙を見せることのなかったれいなが、人目もはばからず号泣している。
これは正直、意外すぎる出来事だった。でも、この姿にれいなの違う一面を見られた。
そして、また一つれいなのことが好きになった。
彼女もまた、8つ年下の地方出身のメンバーだ。分割以来は「おとめ組」メンバーとして圭織とともに活動し、
見守られながら抜群の存在感を武器にどんどん成長してきた。
一緒に過ごした2年間に数え切れない想い出ができたことであろう。
その想いが一気に噴き出したのかもしれない。
圭織の認める努力家、そして正直者。れいなに拍手。
亀井絵里
飯田さん、卒業おめでとうございます。
絵里は…入った頃から…いつも、何をするにも…毎日(?)…ったり、声が小さかったりした時…
飯田さんが…もっとがんばれってことを教えてくれて…自分からいろいろできるようになりました。
飯田さんがいなくても、絵里、頑張るので、飯田さんもがんばってください。
(O.K.!)
がんばってください!
(ありがとう…)
6期メンバーとして加入して2年。最近ではすっかりバラエティでも通用するキャラを形成したが、
当初は「正統派美少女」として語られることがある程度の女の子であった。
圭織はその女の子をリーダーとして見守り、時には注意や助言を与えてきてくれたはず。
分割以来は「さくら組」に所属して別活動を行っていたが、密度の濃い時間にそれは関係しなかった。
急激な進化を続ける少女、亀ちゃんの想いよ伝われ。
藤本美貴
卒業おめでとうございます。
(ありがとう)
えーと…飯田さんには、あのー、入ったばかりの時に、すごい反抗したりとか、なんか…何か、
注意されたら言い返したりとかして、すごい、何か迷惑かけたり、心配もいっぱいかけたんですけど、
あのー、入ったばっかりの時に、年上の、メンバーのお姉さんの中で、一番最初に「美貴ちゃん」って
呼んでくれたのが、すごい嬉しかったです。
ありがとうございました。
娘。史上初の「転校生」としてソロ活動から編入してきた彼女は、今でもおなじみの華麗なツッコミや
強い主張を持ち合わせてきたようだ。
リーダーに反発したりという後輩メンバーは珍しかったに違いない。それでも、彼女はリーダーを慕い、
リーダーも彼女のことを愛称で呼ぶなど、お互いを尊重しあって今日までたどり着いた。
今では彼女も前線戦力の一員として、グループを引っ張っている。
20歳間近の後輩から、遊びに連れて行ってくださいとのお願いもこめて。
紺野あさ美
飯田さん、卒業おめでとうございます。
(ありがとう)
入ってきたばかりの時に、すごい、いろんなことで怒られて、もしかしたら、あたしは飯田さんに
嫌われてるんじゃないかな、なんて思ったこともあって…でも、それはあたしがモーニング娘。で
がんばっていくために、飯田さんがいろいろ教えてくれたんだなって、今はすごい分かって、
ほんとに…ほんとに…ほんとに…どうもありがとうございました。
飯田さんの気持ちを絶対に忘れないで、これからも頑張っていきます。ありがとうございました。
(がんばるんだよ…)
2001年夏に加入し、3年半をともに過ごした5期メンバーの彼女は、圭織と同じく北海道は札幌市の出身。
リーダーとして、自身と良く似た境遇の彼女をどう思っていたのかは知る由もないが、当時のいろんな赤点を
持っていた後輩を時には注意したり、3期タンポポの知らせには明らかにムッとなったりで、最初のうちは
彼女も本当に辛い日々を送っていたことだと思う。
しかし、お互いにいろんな壁を乗り越え、同じ「モーニング娘。」という土壌をシェアしてともに歩んできた時、
先輩は旅立つ時を迎える。
後輩は、先輩のありったけの想いを受け止めて、これからのことを旅立つ人に伝えた。
「飯田さんの気持ちを絶対に忘れない」…のろまなカメさんの強い決意。
新垣里沙
飯田さん、卒業おめでとうございます。
(ありがとう)
5期メンバーで初めて入ってきた時に…もう何も分からなくて…で、すごく…あの…どうしていいか
わかんなかった時に…飯田さんが、一から歌とかダンスとか教えてくれて…で、怒ってくれたことも
あって…あの時怒ってくれなかったら、今も何もできてない自分だったと思うので…
本当に、感謝してます…
卒業しても…飯田さん、オヤジギャグいっぱい言って下さい…
横浜にも行きましょうね…
(デートしようね…)
ありがとうございました!大好きです!!
当初から荒削りながらも、娘。を誰よりも愛する気持ちがダンスに歌に溢れていたガキさんは、5期メンバー
最年少。リーダーである圭織の愛情(時には愛情に満ちた注意も)をいっぱいに受けながら、成長を続けてきた。
その過程で、彼女は5期最年少でありながら、仕切りもできるオールラウンドプレーヤーになっていった。
コメントを言わせれば誰より的確なことを言うこともある。
まだまだ子どもな面を残しつつ、どんどん大人になってゆくガキさんを圭織はどんな想いで見つめているだろう。
娘。を誰より好きなメンバーから、娘。愛に満ち溢れたリーダーへ、惜別。
小川麻琴
飯田さん、卒業おめでとうございます。
飯田さんは、いつも回りのことを良く見ててくれて…去年の年末に、私に電話をかけてきてくれて…
「まこっちゃん、最近悩んでることない?」って…相談に乗ってくれて…本当にうれしくて…だから…
これから卒業しても…また、相談にのってくださいね。
(もちろん…)
本当にありがとうございました!
(ありがとう…)
彼女は現在ぶっちぎりのバラエティキャラを築き上げているが、複数人の証言に明らかな通り、本来はガラスの
ハートの持ち主であるらしい。あのキャラの裏側で思い悩んでいる際にリーダーはそれをきちんと把握してくれて
いた、という話は私たちも熱いものを感じずに入られなかった。
歌にダンスに、本来持てる力を十全に発揮して、これからの娘。を引っ張っていけるように。
その想い、確かに旅立ち行くリーダーに伝われ!
高橋愛
飯田さん、ご卒業おめでとうございます。
(ありがとうございます…)
「笑顔で見送る」って決めたので…泣かないって決めたんですけど…
これからは…ライバルとして、おたがいがんばりましょうね。
あと…これからも、モーニング娘。を愛し続けてください。
(もちろんです!)
いっこ言っていいですか?
(はい…)
かおりん大好き!!
(ありがと!)
リーダーの旅立ちに際して、敬語で話し始めた礼儀正しい愛ちゃん。
容姿端麗、かつ歌もダンスも上手という優等生さんだが、ちょっとコメントに抜けたところがあったり
とか、訛っていたりとか、そんな親しみやすい「人間臭さ」を色濃く残したキャラクタは、どこかなっち
に通ずるところがあるような気がする。
そんな彼女は、今後の圭織とのスタンスを「ライバルとして」と定義づけた。
しかも、それは「娘。を愛し続ける」という条件下の定義であった。
ライバルとして愛ちゃんが勝ちうるかというのは問題ではない。
意識として、愛ちゃんは圭織をそうとらえることで、何かを得るのだろう。
そして彼女は最高の言葉で圭織の旅立ちを演出した。
「かおりん大好き!!」旅立ちの日に、後輩からの何よりのプレゼント。
吉澤ひとみ
かおりん、卒業おめでとう
(ありがとう)
えーと、かおりんには、入ってからいろんなことを教えてもらって、いろいろ勉強して…
かおりんが…うーん、そうだな…かおりんがいなくなっても、モーニング娘。…かおりんの分まで…
がんばるから…かおりんもがんばってね。
(うん…がんばるよ)
今年はサブちゃんだけど、
(笑…サブちゃん)
サブちゃんになるけど…
(うん)
がんばります。
(おぅ)
バラ…似合ってるね。
(ありがと!)
どうもありがと!
(サブリーダー、頼みましたよ!)
がんばります!!
いつもサバサバしているよっすぃ〜だが、5年弱という長期にわたる活動を振り返りながらリーダーに
贈る言葉を考えていた。
彼女は次期サブリーダー職に就任する。彼女自身は「サブちゃん」などと言っているが、その責務が重い
ことは重々承知しているはず。
その中で彼女が少しおどけたような言葉を使っていることが、私には安心できる。
フットサルではキャプテン役を務める彼女だから、チームを見ることに対する不安は全くない。
きっと、やりきってくれると信じている。
「戦友」は笑顔とともに去り行く…敬礼。
石川梨華
かおたん、卒業おめでとうございます
(ありがとうございます)
えーと、かおたんはリーダーとして、私たちをずっと支えてくれて、本当にありがとう。
これからは、今このいる娘。11人で、かおたんに負けないぐらいモーニング娘。を愛し続けていく
から、ずっと見守っていてください。どうもありがとう。
(ありがとう…)
彼女は今年の春に、モーニング娘。を卒業することが決まっている。
4期メンバーとして加入以来、同期では自然にお母さん的役割を担っていった彼女は、第2期タンポポとして、
圭織とともに過ごした時間が長かった。2002年のタンポポ畑の時も彼女はステージ上に立っていた。
かける言葉は少なくても、短くても。
長い時間をともに過ごした同士、分かり合えるはず。
矢口真里
かおりん、卒業おめでとう
(ありがとう)
えー、圭織とは長い間、ずっと一緒にいて、本当にたくさんの想い出ができて、こうやってまた
一緒に、たんぽぽが咲いたのを見れて…すごく…今の気持ちを一言で言うと…なんか、本当に胸が
いっぱいです。
これからは、かおりんに負けず、頼れるリーダーになれるように、がんばっていくので…ずっと
見守っていてください。
(うん、もちろんです)
でも、圭織の築き上げたモーニング娘。は、ずっと大切にしていくから、任せといてね。
(よろしくお願いします)
(リーダー、よろしくお願いします)
本当にどうもありがとう!これからもよろしく!
4ヶ月遅れで娘。の仲間となった彼女は、タンポポでも初期から4年弱の時間を過ごしてきた、現時点で
圭織のもっとも近い位置にいるパートナーだった。
雰囲気を読み、空気を読み…あらゆる意味で頭の回転の早さは娘。内随一だった。長きにわたり、圭織と
ともにお姉さんチームの一角を担ってきた彼女は、圭織の後をついで、3代目のリーダーに就任する。
かつてはミニモニ。であいぼんとののを鍛え上げ、一人前に成長させてきた実績の持ち主であるから、
心配すべきことはない。
小さくても、大きなリーダーへ。娘。は受け継がれる。
矢口体制になっても、これだけの愛に満ち溢れたグループならば、まだまだ応援するだけの価値はあるに
違いない。いわゆる「娘。スピリッツ」は、この先も後輩たちの手で受け継がれていく。
たとえ、オリジナルメンバーがいなくても。
EN1.夢の中(モーニング娘。)
ファーストアルバムから、圭織がメインボーカルを取った曲がアンコールにセッティングされた。
一緒に歌ったメンバーは矢口しかいなくなってしまったが、それでも曲は生き続ける。
場内は先ほどまでのタンポポ畑から、いつしか白い世界に変容した。
タンポポが綿をつけ、旅立たせるように。
EN2.ALL FOR ONE & ONE FOR ALL(全員)
2004年12月に発売された「H.P.オールスターズ」名義の曲が、この冬の一大イベントの最後を
締める曲になった。
披露された直後からヲタ界隈では、詞の内容や歌パートの順番などを見て「名曲だ」との論調が
強かったが、聞くごとにその感が強くなる。
ヲタではなくとも詞の世界はとっても素敵なものだと思うが、ハロヲタをやったことのある人間、
とくに現役の人間には非常にジーンとする内容である。
一つの時代を作り上げたメンバーが歌い出し、次代を担うべきメンバーへと引き継がれてゆき、
グループごとの歌を経て、最後は転調してC調の力強い全員合唱につながる。
これでまた、ハロプロが好きになるわけである。
こんなスゴい曲を書けるクリエイターがいるなら、まだまだ大丈夫だ。
そして、この曲も終わりを告げ、各ユニットごとに舞台から去ってゆく。
12人のモーニング娘。は、いよいよその姿を消そうとしている。
BGMの「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL」は、この舞台の終了を阻むかのようにアウトロの部分を
繰り返している。いつまでもこの瞬間が続いてくれたら!
しかし、やがてこの曲も最後を迎えた。
会場には大歓声がこだまし、各所で圭織コールが発生した。
私もそのコールに参加すべく声を張った。最後の公演に立ち会った者だから許される、圭織への
感謝を込めたコール。
全国から、横浜に来られなかったファンのためにも、幸運にも入場できたファンは声を大にして
コールをしないといけない。
いらない義務感かもしれないが、私はそう感じて会場に入っていた。
数分間、そうしていたが、間もなく私も会場を後にした。
連番のくれとともに退場経路に乗っていると、出口手前でしまさんにお会いした。
1年前に行われたなっちの卒業式の時の私たちのように、しまさんも晴れやかな表情であった。
その姿を見られて、私たちも晴れやかな気分のまま現世に戻ってきた。