Dancing Love Site
2000年5月21日 午後7時 日本武道館
コンサートツアー「Dancing Love Site」は、泣いても笑ってもこの日で最後。
これだけでも盛り上がらないはずのないものだが、この日、特に午後7時開演の2回目の公演は、ただでは済みそうにない
と思われた。4月27日、メンバーの市井紗耶香が、このコンサートツアー限りでモーニング娘。ならびにプッチモニを卒業
すると発表したからである。従ってこの公演は、ツアーファイナルというだけでなく、市井紗耶香のラストステージとしての
性格も併せ持っていた。ついでに、この前日の公演から参加している新メンバーのお披露目という使命もあった。
午後4時35分、早めすぎるぐらい早めに九段下駅から武道館へ向かった私が田安門で目にした光景は、想像どおりのもの
であった。ダフ屋の連中は、今日も勝手に忙しそうである。
しかし、いつものコンサートと違うのは、ダフ屋の行動範囲の広さである。いつもならば、コンサートグッズの販売まで来
れば、ダフ屋の姿を見ることはなくなるが、この日はグッズ売り場近辺にまでその姿を認めた。
日本武道館限定のグッズの売れ行きも好調らしく、すでにクリアファイルが売り切れとなっていた。
午後5時前、入場列に並ぼうとすると、急に雨が降ってきた。仕方なくビニール傘を購入。
列に並ぶと、割とスムーズに入場できそうな雰囲気であった。場外整理係のあんちゃんは、傘もさせず、ズブ濡れのまま業務
を続けていた。「ご苦労なことだね、雨なのに。カサの支給とかないの?」と声を掛けると、ボヤキが返ってきた。
整列すること1時間あまり、ようやく客席への入場が始まった。午後6時08分なので、ほぼ定刻どおりである。昼夜2回公
演としては、立派なものだ。
今回の座席は、スタンド2階南ブロックD列39番。ファンクラブ経由の座席としては、かなり遠い。チケット到着時は落胆
したものだが、いざ客席に入ると、なかなかステージは近い。さらに、南ブロックはステージの真正面に位置するので、パフォ
ーマンスは基本的に正対できる。まあまあいい位置と判断すべきか。
客席入場前、いきなりアイスバーを購入する私。常識的には水分補給の意味もこめて、ジュース類を購入するが、空腹男の私
は、とりあえず食べてから、ペットボトル入りの水を購入する。
客席はみるみるうちに満席になる。国技館なら「満員御礼」の垂れ幕が下がる勢いである。ふと見ると、その筋では有名な某
応援団の面々も到着している様子である。開演前から、異様なテンションの高まりを実感できる。否が応にも、私の緊張も高ま
っていく。午後6時55分過ぎ、開演間近を伝える場内アナウンスが響く。
その後、応援団長氏が、アリーナから会場全員に聞こえる大声で呼びかけた。
「せーの!」「がんばって、いきまっしょい!」
唖然とする私。近くを見ると、2列先にいる女の子もポカンとしている。仲間発見、と一安心。
そうこうするうち、開演定時である午後7時を回った。
会場からは早くも「さやか」コールが起こっている。明らかにいつものコンサート開演前とは違う雰囲気である。そして、
午後7時05分。館内の照明が一斉に落ちた。と同時に、館内は熱狂に包まれ始めた…
|
|
|
|