「神明の森みつ池」

世田谷区内の崖線には、湧水の場所が30箇所記録されていますが、みつ池の湧水地も
そのひとつです。崖線の台地は水を通しやすい武蔵野ローム層と呼ばれる土のため、台地上
に降った雨は地中にしみこみやすく、武蔵野礫層(砂利の層)下の難透水層にまで
達します。崖線の湧き水はこの武蔵野礫層からしみ出すものが大部分です。
 このみつ池は湧水があることで、この湧水が聖泉として信仰の対象になり、それが
現在まで受け継がれ、この地域の緑と水が守られて来たのです。土地の人々は、
農耕の水を湧水に求め、水神の祠「しんめいさま」をまつりました。この地域が
「上神明」と呼ばれる由来です。湧水地には、区内でも珍しい湿性植物が広がって
います。みつ池はまた、ゲンジボタルの自生地で、初夏のころには外柵越しに林の中を舞う
ホタルの姿を楽しむことができるそうです。
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