安倍なつみ Solo debut single

”22歳の私” 発売記念イベント

2003.08.18(月)よみうりランドオープンシアターEAST

 

この日以上に、自分がなっち推しであることを幸せと思い、また、誇りに感じた日はない。

それほどのイベントであった。

 

当日は午前3時にさいたま市の太さん邸を出発したヲタ4名のポジてん車に、4時40分頃、

南武線登戸駅前で合流した。徹夜はご法度だったので、始発前到着を目論んでの出発である。

途中住宅街で迷いながら、コンビニで買出しなどをして午前5時20分頃、開場付近に到達。周辺

は霧に覆われており、大観覧車やクレイジーヒューストンのてっぺんさえも見えない有様だった。

 

周辺には、徹夜組と思しき数百人の連中が列を作り、さらに駐車場の開門待ちの車で周辺道路

が大混雑を呈している状況であった。駐車場は間もなく5時30分頃に開門されるとのことなので、

とりあえずポジてんさんとノーサイドさんに車を任せ、Ayuki君と太さんと3人で行列の後ろに

つくことにした。

 

余談ながら、この日のクルマは「723」「810」というナンバーが異常に多い。

いわゆる「なっち祭」であるから、不自然ではないが…やはり不自然だ。

 

間もなく列は動き始め、とりあえずの待機場所に収容され始めたが、ここで一悶着あった。

前日から待機していた連中が独自に「署名」などと称し、事実上「優先入場」できるシステム

を作っていたのである。一介のヲタが勝手にやっているならば崩すのも楽勝だが、なぜか知らぬが、

複数の警備員がその存在を認知していると言うのである。

公式に「徹夜禁止」とうたっているはずのイベントに、なぜに多数の徹夜組がおり、さらに独自に

整理券的なものを実施しているのか、まったく困惑することしきりである。

 

…とはいえ、以前に圭織イベが開催された時にも、前日の昼間から定員近くの人数が並んでしまい、

主催者側が整理券を配布したという「前科」がある。

しかも、その当時、私は徹夜覚悟で前日から並んだクチである。その時の立場と逆転したわけである

が、今度は文句を垂れる側に回っている。我ながら、都合が悪くなると文句を言うのは良くない。

 

午前6時の時点で、来場者は1000人程度になった。

しかし、整理するはずの係員は5人もいるかどうか。勝手に誘導するヲタを止めるでもなく、聞けば

「それは私たちにどうしろと言われても困る。そちらで解決して頂かないと」など

的外れなご意見を述べられ、いよいよ前述の松坂屋騒乱の再来を思わせる事態となった。

案の定、署名推進サイドお前ら何やってんだサイドで意見の衝突が起きた。

そもそも「徹夜」とはどのようなものかという定義がないのであるから、何をもっての徹夜とするかは

判断が分かれる。

にらみ合いは1時間近くに及び、結局列を崩すことはできなかった。

今後の課題として「徹夜」とはどんなものかの定義づけが急務となり、徹夜と認められた者は入場させ

ない、などの徹底した規制が必要になりそうである。

 

さて、列はいっこうに適当な様相を呈しており、にっちもさっちもいかない状況である。整理させよう

にも、物足りない整理要員ばかりで、こちらも失笑するより他にない。何せ、連中はさして広くもない

スペースに5000人を詰め込むと言っておいて、その実、空白を詰めさせたり行列の列数を指示するなど

の有効な対策を講じない。これでは列は成立しないのだ。

そちらがそんな状況なら、こちらも勝手にさせて貰う。

 

6時半過ぎ、仮初めのみきてぃすとさんが通りかかる。久々のご対面となり、しばしトークとなった。

氏のお仲間とはよくぶつかるが、ご本人と会うのは何ヶ月ぶりだろう。

 

かような状況がしばらく続き、ようやく列は次の駐車場へと移動する運びとなった。

どうにも物足りないが、先ほどまでの状況に比べればマシではある。

この時間帯に、我々の仲間内では名古屋から空さん、地元神奈川からののっち君が到着。

前日に豊田スタジアムで「また明日」と言って分かれたはずの御子柴くんは、まだ来ない。7時半

近くになってから電話したところ「今起きましたぁ!」とのお言葉。全員そろって「愛が足り

ないなぁ」と力説。彼は近くの健康ランドに投宿したらしく、思いのほか早く到着した。

 

午前8時過ぎ、ようやく私たちの部隊が全員集合した。

ここで本日の我らの仲間を確認。

 

・ノーサイドさん

「最強のライブ魔人」の異名を持ち、我ら中濃度のヲタからすれば圧倒的な参戦本数を誇る。

今日までに約200本のライブに参戦しているという。なお、私はまだ60本ちょっと。

なっち別格推し、パッツン2推し。このたびめでたくワイハへ行った方として有名。氏は愛知県

在住ながら、海外にまでその勢力範囲が及び、結果的に東海の住人であるとの認識には薄い。

 

・太さん

圧倒的資金力を誇り、ミュージカルで最前列観戦数回、新幹線で狙って狙って娘。接触歴もあったり

する、あまりに羨ましい方。ちなみに所帯持ち。

また、チケットの引きの強さは特筆すべきところ。今回もその強さを見せられるか?

筋金入りのなっち右翼。「なっちしか見えない」と言うが、実は旧よしこ推し。

 

・ポジてんさん

現・ちゅん推し。前・梨華推しで、元・なっち推しのご老体。別面ではメロン柴田推し。前日は

娘。コン@豊田スタジアムではなく、メロン@赤坂BLITZにいたらしい。

一時期「せんこう花火」というHNを使っていたこともある方。今回は埼玉からドライバーを務めて

いただいた。「せんこう花火」が歌われることを切望している模様。

 

・Ayukiくん

愛知県から参戦の方。なっち推し&あやや萌えという典型的なパターン。先日パチだかスロだかで

15万も勝ったという猛者。

昨年のなっちバースデーライブで会って以来の付き合いになる。氏はなっち推しあやや萌えなのだが、

あまりにフツーすぎて面白くないのでネタ探しをされている。

 

・空さん

氏も愛知県からの参戦。本業は名古屋の日本料理店で腕を振るう板前さん

なっち推しで、2推し以下は私は知らない。もしや右翼?

先日東海組で行われた鍋パーティで、空さんプロデュースとしたところ、ハンパなく旨い鍋になった

という情報がある。確かに旨そうである。今朝はロクにメシを食べていないから腹が減った(爆)。

 

・ののっちくん

彼ももともと愛知県出身…東海組が多いのは、おおむね「モニ板の住人」という共通項のためであると

思われる。

ここ1年ほど梨華推しだが、華麗なる推し変更遍歴のため、いつ次に移ると常に囁かれる

身分。現在は「まいたむ爆推し」やら「純潔の稲葉推し」と遊ばれている。

また、席に氏がいなくとも、氏の話題で盛り上がれるというトーク上でもたいへん重宝な人物である。

 

・御子柴くん

札幌出身阪神ファンにしてなっち推しゴマヲタ

学生の身分でありながら、全国各地あらゆる場所に出没するため、社会人から「学生でよくあんな

にカネがあるよなぁ」と疑問も出ているほど。本日は痛恨の寝坊をかまし到着順最下位(爆)。

いきなりスーツケースを転がして登場。3連戦のラストで気合が入っている様子。

 

・kenken76(一応自分もやっとく)

本日の会場からほど近い川崎市民のなっち推し。ヲタ化してからずっとなっち推しであるが、多萌えでもある。

娘。では紺ちゃん2推し、その上あやや萌え。最近になって「kenken76はキッズ推しになった」と、あらぬ

ことまで囁かれる被害者でもある(爆)。

とはいえ、キッズ15人の顔と名前が一致するのは事実なので、自業自得といえばそれまでなのである(--;)。

 

さて、ようやく全員そろったが、まだまだ動く気配はない。

全員そろってバカ話をするうち、1時間半が経過した。一人で来ていたら、退屈さの余り、間違いなく発狂

していただろう。とにもかくにも、列が移動をはじめた。時間は9時半頃である。

 

行列中にアンケート用紙が配布された。

なっちへの質問&メッセージという内容で、たいそう悩む。20分程度で書き終え、ふたたび列が進んだ。

まもなく、チケット引き換えの白いテントである。

 

今日は椅子席Aブロック・Bブロック(全席指定)と芝生席(立見)がある。

チケットはまったくアトランダムに手渡されるため、運試しの要素が強い。このチケ引きで万一「芝生席」を

引いた場合「なっち推しを引退せよ」という大ギャンブルが半ば冗談で行われた。このため、

普段はほどよい緊張感で受け取るチケットも、この日ばかりは要らぬ緊張感の中での受け取りになった。

 

全員チケットを引き終わって確認したところ、今回最も引きが良かったのは、案の定、太さんであった。

唯一、Aブロックを引いたのが氏である。残る連中は、Bブロックながら全員芝生席の苦行は免れた。本来

喜ぶべきでないBブロックも、今日ばかりは笑顔である。今日はBブロック10列168番である。

 

開演までは自由時間であるが、早々に会場限定のDVDと写真をゲットしに芝生広場へ。私たちは割と早い

時間帯から並んだので、グッズ売り場での渋滞に巻き込まれることはなかった。1枚1500円のDVDと、

1セット600円の写真を購入し、さっさと退出。

 

早朝から5時間余り並んでさすがにくたびれたので、軽食としゃれ込む。

席上、ノーサイドさんが写真を購入していないと気づき、あわてて走っていった。話を聞くところによれば、

その時点でほぼ売り切れになっていたとか。間一髪である。

 

店が混んできたので、軽食屋を出てゲームコーナー脇のスペースで休んでいると、ノーサイドさんが「2回目

見るつもりあります?」と聞いてくる。2回まわしになったのは先ほど聞いたが、そんなことができるものか

どうか。聞けば、知り合いが数枚チケを余しているとか。多少遅くなっても問題ではないから、ありがたく

お誘いに乗ることに。

 

12時を回り、そろそろ入場することにする。

座席を確認したところ、遥か彼方の宇宙席ながら、まずまず見通しは効く。若干遠すぎるが、もはや気にしない。

 

デビューから6年目の夏に、いよいよソロデビューという夢を果たすなっちの、晴れの大舞台である。これを見ず

してソロの安倍なつみを語ることなかれ、である。開演まであと10分程度である。

 

12時40分。

定時より10分遅れて開演となった。進行役の「それでは、安倍なつみです、どうぞ!」

大号令でステージは始まった。会場を埋め尽くした6000人の大歓声がよみうりランドにこだました。

 

MCなしで流れ出したのは「トウモロコシと空と風」だった。

アルバム「プッチベスト」に収録されている、なっちの幻のソロナンバーが、ついにステージで披露される。

伸びやかで丸みのあるボーカルが、多摩丘陵に響き渡る。聞いていて、ほのぼのとした気分になり、とても幸せで

ある。いつも大人数のグループで歌うなっちが、今日はひとりで歌う。なっちの歌声しか存在しないのである。

まさに夢のようであった。

 

1曲終わったところでふたたび大歓声が起きた。

なっちがMCを取る。

 

「すごいよー。すごい。感動しちゃって泣きそうになるから…。ありがとう。ありがとねー」

 

コメントにも表情にも、うれしさがありありと感じ取れる。

6年目につかんだ夢…なっちの気持ちは、我々も同じように感じている。

 

2曲目「ふるさと」

 

「LOVEマシーン」で大ブレイクする前の1999年7月14日に発売された6枚目のシングルは、7人編成ながら

主旋律をなっちが独占している「準・ソロナンバー」である。

ふるさと・室蘭を深くこよなく愛するなっちが、室蘭や家族、室蘭の友人たちを思いながら歌うナンバーである。

もちろん、広く「ふるさと」を愛し、単身ふるさとを離れて思うことを切々と歌い上げるナンバーであるから、

ことさら感動を誘う。

 

昨年の夏、ハロプロで何の前触れもなくこの曲が流れたときには全身が震えたものである。郷愁を誘う曲調に、

なっちの聞きやすいボーカルが心地よい。

この曲はただひたすら聞き入る。ところどころに合いの手を入れたりロマンスを無理やりやるようなヘンなのも

いたが、おおむね手拍子までで、ちゃんと聞いている。名曲だからこそ、というものである。

 

3曲目「男友達」

 

これは昨年のツアーで5期メンバーとともに披露したナンバーであり、割と最近の曲であるが、やはりソロで

あるから感じは違う。

歌っているときの表情も、まことに楽しそうであり、ソロのステージをいかに心待ちにしていたかがよく分かる。

同じ時間を共有していることが、なっち推しとして素直にうれしいのである。

 

(MC2)

8月10日に、なっちは22歳の誕生日を迎えた

この日は、夏のライブのリハーサルを行っており、休憩時間に花火を屋上に上って見たり、しげさんが感動して

泣いちゃったり、みんなからお祝いしてもらったり…という心温まるトークを聞かせてくれた。

モーニング娘。をこよなく愛し、メンバーを愛しく思っているなっちの娘。トークは、聞いているこちらまでもが

笑顔になれる。

 

4曲目「せんこう花火」

 

名盤との誉れが高いアルバム「セカンドモーニング」収録曲。特になっちソロとしてクレジットされたわけ

ではないが、全編に渡ってなっちがメインボーカルを取る曲である。

ポジてんさんが切望していた曲が流れ出した。私も是非、生で聞きたい曲だった。もともとこの曲は、数多い

ライブで、一度としてセットリストに入ったことのないナンバーである。つまり、今回初披露ということになる。

私自身も久々に聞いたナンバーである。さっきから次々繰り出されるナンバーにのけぞりっぱなしである。どうあれ、

直前のMCコーナーでのトークとあいまって、とても良い形でイベントは進んでいる。

 

コーナー「安倍なつみに聞け!」

 

8月10日付けのサンケイスポーツで「握手会もあり」と明記されていたが、数日後にオフィシャルで違う形での

プログラムを組む、との告知があった。握手会なしで2回まわしにしたぐらいであるから、もし握手会ありと

したら、どれだけの人間が殺到したか。想像するだに冷や汗ものだ。

 

行列中に書いたアンケートの中から、5人が選ばれるらしい。6000分の5…0.083%か。

選ばれた来場者には「22歳の私」発売時のポスターとノベルティ(22本のサインペンセット)

プレゼントされるらしい。

 

読み上げられる名前は…ことごとく女の子ばかりである。で、中にひとりヲタがまじっていた

13歳から29歳まで、5人が選ばれて、ステージに上った。もちろん私は選に漏れた。

なっちから1メートル以下の距離である。あの場所に立っていたら私は…どうなっていたか。

 

最初にステージで質問することになった女の子は、感動の余りか、泣いてしまっていた

スターダムに駆け上ってから、ファンと直接触れ合う機会は少なかったなっちであるが、ひとりなっちだけに

とどまらず、ファンとの交流は大事に思っている娘。メンバーであろうはずなので今日のイベントは我々が

心待ちにしたのと同じように楽しみであったと思う。

で、感動して泣いてしまった子に優しく接し、質問にも時折おどけながら答えるなっちに、ますます

のめり込むワタシであった。

 

客席はヲタどもの一部が声援の合間を縫って、レスを貰おうと騒いでいる状態であった。

そんな中でも、なっちは黙殺することなく、できうる限りで「え?」と耳を傾けている。

ちなみに、私にはレス目的で絶叫などという品性のない(爆)ことはできかねる

 

5人の質問が終わったところで、もう1名!となり、最後の1枚が選ばれた。6人目も女の子である。

この質問コーナー、太さんが相当ズバリ狙った質問を書いており、ひょっとしたらもしかして、という

状態だったが、見事玉砕である。

 

6人の質問に答えて、MCは再びなっちに戻った。

前後して「ほんとはね、(ステージ上に)みんなおいで!って言いたいんだけどね…」と言って

くれたなっち。何度言っても追いつかないが、やはり最高なのである。

 

5曲目「22歳の私」

 

8月13日に発売された、なっち待望のソロデビューシングル。

6月のミュージカル公演中に舞台から発表があって、ついにこのときがやって来たかとファンは感涙に

むせいだ…かどうかは分からないが、とにかく狂喜した。

その後、7月27日の代々木競技場第一体育館では、驚天動地の「なっち卒業決定」の報があり、この2か月

で、なっちヲタは天にのぼり谷に落ちと、実に忙しい日々を過ごしてきたわけである。

 

しかし、7月中旬にラジオで「22歳の私」が流れ、それを聞いたと同時に感動と安堵感が押し寄せてきた。

明らかに、なっちを歌詞に投影している。過去の自分が夢に思い描いていた22歳の自分とは違うけれど、

昔よりも自信がある…まことにリアルである。

歌声を聞いて「なっちならソロも安心して応援できる!」と思い、ライブで見るに至って、自分の判断が

間違っていなかったことを確信した。

 

発売当日よりところどころで品切れを起こし、期待度の高さをうかがわせた「22歳の私」では先ほどの

「男友達」などとはまた違う、すこしオトナな「安倍なつみ」を魅せてくれる。

 

この曲もひたすら聞き入るのみ。

普段はダンサー4人を従えてのパフォーマンスになるが、本日はまったくのソロである。

今まで何度となく聞いてきた曲だが、何度聞いても良い。

 

「22歳の私」が終わり、大歓声がこだまする中、司会者が「安倍なつみにもう一度、大きな拍手を!」と

呼びかけると、大歓声はひときわ大きくなった。

 

この日から4年前の1999年8月29日、なっちは当時のメンバーたちとともに、「LOVEマシーン」発売記念

イベントで、このよみうりランドEASTのステージに立った。当時18歳だったなっちと、ここで握手した記憶

が鮮やかによみがえる。

あの日は公称5500人が詰め掛けていた。2年後に松浦亜弥が「LOVE涙色」発売記念イベントでやはり5500人

の観客を集めた。先日のカントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)のイベントでは、さらに上回る8000人

が、芝生席の端(通称ワッショイ席)までをも埋め尽くした。

今日はこの公演に6000人、さらに入りきらない観客を2回目に回すという盛況ぶりで、この会場の最高動員記録

にも迫る勢いとか。

メンバー多しとはいえ、ここまで普遍的な人気を集め、勢力を維持し、さらに動員力まで誇るメンバーは他に

いないと思われる。なっちの偉大さを肌で感じる瞬間であった。

 

言われずとも大歓声を送りつづけるファン6000人に笑顔で手を振って、なっちは戻っていった。アンコールを

求める手拍子がほとんど即座に起こった。前日の豊田スタジアムで行われたライブのアンコールの鈍さ小ささ

などとは比べようもないほどのそろい方である。

間もなく進行役が「これで本日のイベントは全て終了です」と告げると、観客たちはいっせいにEASTを後

にし始めた。入口周辺では「なっちPP」をやるグループがいたりしたが、日常茶飯である。

 

私たちは軽食屋の前に再び集合するため歩き出した。公演自体は50分ほどであったが、充実感や満足感は

ハンパではなかった。

7席ほど横にいたポジてんさんと合流し、話しながら進む。念願の「せんこう花火」を聞けて、始終落涙

モードだったらしい。よもや推しがなっちに回帰するか!と思わせるほどの感動っぷりであった。

 

軽食屋前に着くと、まだ我々以外は来ていない。

しばらく待つうちに続々と帰ってきた。感動の余り涙して帰還するものもいるぐらいであった。我々の仲間内

での参戦としては、空前のなっち推し集団であった。帰還して抱き合うものも少なくなかった

異常なまでの興奮状態に陥ったのは、なっち推し集団という理由だけではないと思う。

45分という時間ながら、密度の濃いステージを見せてくれたなっちを素晴らしいと思い、トークやコーナー

での優しい表情などにやすらぎ、ステージ全体に幸せな空気を感じ取り、さらにこの時間を6000人もの人が

共有できたことを余りにうれしく思い、尋常ならぬ状態に陥ったものと考える。

…と、こんなことを書くと、私ひとりだけが冷静に分析しているかのようだが。

実際には「いやぁ、女神降臨ですよ!!」などと軽食屋前の通路で騒いでいたのであるから、

私も一介のヲタでしかないようである。

 

20分ほどそんな風にしていたが、さすがにジャマになるかと思い、違う場所を求めて移動。

よみうりランド名物・木製コースのジェットコースター「ホワイトキャニオン」近くのスペースに陣取り、

車座になってしばし話し込む。

夏らしく太陽が顔をのぞかせたが、冷夏らしく気温はそれほど上がらない。主催が心配するほどの暑さには

ならなかった。

 

その後、通路にいては邪魔かとなり、ホワイトキャニオン近くの路上に移動して車座になる。

大きな集団になったので、自然にいくつかの小グループが形成された。1時間もそうしていただろうか。

そろそろ時間も良くなってきたので移動を検討していると、てんさんの具合がよろしくないようだ。

先ほど軽食屋の軒先でビールなんぞを飲んでいたから、回ってしまったかもしれない。あわてて水を買いに

太さんと走った。多摩丘陵の一角にある遊園地は、どこへ行くにも坂道がつきものである。なかなか体力を

消耗する遊園地である。水を持って売店近くの東屋に転進。第2部のチケット抽選会と相成った。

 

ノーちんを除き、今回の最良席は、Bブロック5列の中央付近。ついでAブロック14列左、といったところ

である。先ほどのチケットよりだいぶ良い位置である。

チケットを確保してくれたノーちんは、Aブロック5列だか6列の中央。あまりに良すぎる席である。

年齢順に太さんから引くことになったが、氏はあっさり最良席を引いた。全員、驚愕。てんさん、私と回って

きて、私はAブロック14列目の席である。

 

係員に聞くところによると、16時開場〜16時半開演らしい。

我々もそろそろ移動せねばならぬ。

 

第2部は16時半ちょうどに開始された。

席はところどころに空きがあり、芝生席には観客がいなかった。観客数4000人ぐらいであろうか。

第1部の6000人と合わせて、約1万人が詰め掛けたことになる。大変なイベントだ。

ところで、隣のブロックに角界からの訪問客がいた。稽古はどうした、稽古は。そういえば、先日の

カン紺藤のイベントの時にもいた気がする。角界のハロヲタということか。

 

2回とも全く同じステージであったが、第2回の方が若干ゆったりとした時間になった気がする。2回目のステージ

となったなっちも、心なしか1回目よりリラックスしているような感じを受けた。相変わらず、伸びやかなボーカル

が響き渡る。

 

プログラムは進み、トークコーナーに突入した。

 

質問コーナー一人目は、18歳の女の子であった。

どこにいるかな、と会場を見回したところ、私の列の左側から「はーい!」という声が聞こえた。近くにいたでは

ないの!!うらやましきことなり。

 

しばらくして、こんな質問が飛び出した。

 

「モーニング娘。のなっちと、ソロのなっち。それぞれ動物にたとえると何?」

 

難問奇問ここにあり。

5分ほど悩んで悩んで…答えは出なかった。例によって外野がワイワイ叫んでいたが、流さずに積極的に聞こうと

していたなっち…相変わらずファン思いである。

 

そういえば、この回の一部座席は、親子席として設定されていた。

私の右側のブロックもその一角であり、多くの親子連れが参加していた。

質問コーナーでも発表のたび「なっちお願い〜!!」などと声を上げていた。将来のヲタ候補生である(爆)。

でも、こういう子の質問を取り上げれば、もっともっとなっちの表情も変わったはずである。こどもの質問が

出なかったことは、少々残念であった。

 

で、なっち本日10曲目の「22歳の私」が流れ出した。

今日のこの日を決して忘れまい。

1万人もの人がよみうりランドでこの瞬間を見届け、なっちと時間を共にしたのである。

なっちにとっても、我々ファンにとっても、記念すべき日である。

 

終演後、よみうりランドから帰る観客数千人が大移動を始めた。

下りのゴンドラも各方面へのバスも、軒並み大混雑である。また、駐車場も帰り組で混雑していた。

当然、主要道へ通じる道は混雑している。

 

ところで、我らがポジてん車は、ここにいる全員を積むと積載オーバーである。

この後食事に行くという御子柴くん、ののっち君、Ayukiくんは駐車場からタクシーなどを拾って駅へ

向かうとの由。ノーサイドさんは今日中に帰らねばならないとのことで、太さんとともに帰宅準備に入る。

 

結局、ポジてん車に乗ったのは、氏の他に私、ノーサイドさん、太さんとなった。

屈強のなっち推し3人にちゅん推し1名の車内は、太さんとノーサイドさんのバトルが繰り広げられ、

場外の2名はウケっぱなし。途中、方向を誤り柴田ちゃん自宅近くに迷い込むというハプニングもあったが、

何とか軌道修正。

走行中、携帯に見たことのない電話番号から着信があった。出ると、かつての職場の人からだったので、

しばらく話す。

当時、車は多摩区西生田付近を走行していた。私は旧職場へ向かうべく、近くで車を止めて貰い下車した。

 

この日は午前4時半過ぎからずっとヲタ漬けだったが、不思議と疲労感は感じなかった。

それ以上に嬉しく、我々にも充実感があった。

 

なっちはソロ活動に入っても、きっと私たちの期待に応えてくれる。

漠然としながらも、確信めいた予感がしていたが、今日のステージでそれは確信に変わった。

 

女神は存在した。

 

今後に渡り、なっちの応援を絶対に止めない。

このイベントを通じて、これを改めて誓えたことが、最大の意義だったように思う。

 

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