重ね重ね言うが、日本ハムはブッちぎり最低人気球団だった。
父は昔から日本ハムを応援していた。
まだCSなんて無い時代。
TV中継もないパリーグの結果を、次の日の朝刊で一喜一憂していた。
私が野球に興味を持ったのは10年前位か。
私はセリーグの最低人気球団、横浜のファンだった。
まだCSも定着しない時代。
TV神奈川というローカル局が、セリーグ最低人気球団の試合を放送していた。
98年、横浜は優勝する。
しかしその年、なんとパリーグの最低人気球団もペナントをブッちぎっていたのだ。
オールスター折り返して2位と10ゲーム差。誰もが優勝を疑わない位置にいた。
両リーグとも最低人気球団の日本シリーズか! 誰が見んの? やべぇな!
笑いが止まらない。そして変な約束を、私は父とした。
日本シリーズ、見に行こうよ。一緒に3塁側で見よう。東京ドームも、横浜スタジアムも。
当時はどちらもホームは1塁側で、3塁は敵の応援をする所だった。
すなわち好きなチームを応援する限り3塁側では見れないので、日本シリーズでお互い行っておこうよ、と。
一緒に見に行こうよ、と。
しかし8月、最低人気球団は、大失速。
パリーグの人気球団に、いとも簡単に優勝を奪われる。
横浜はペナントを征し、日本シリーズを西武ライオンズと戦った。
横浜は日本一となった。
私達は一緒に野球を見に行く事はなかった。
私の心は、優勝を逃したヘボ球団に傾く。
父の思いを継いだ、だなんて、きれい事過ぎますか。
でも、きっかけなんてこんなもんだよな。