本当よ。
ハムは4〜5月は強いのだ。
(まぁすなわち6月あたりからズルズル下がる訳だが…)
何にせよ勝っている時は気持ちも良いし、応援のしがいもある。
だけど、気になる事もあるのです。
日本ハムの醍醐味は気持ちの良いホームランだと前に書きました。
新聞を見ると本塁打のトップに(日)の文字。こうでなくっちゃ、なぁんてね。
しかしこの本塁打、私の好きな形であるのと、私の余り好まない形であるのと、半々と言った感じ。
5月23日、対近鉄@東京ドーム、日本ハムのリードは5点。そのうちの3点は私の好まない形、ソロホームランだった。
私の不安はここだ。ソロホームランが多すぎる。ソロでは1点しか入らない。
ソロホームランは打線がつながって無い得点って感じがする。
その不安は悪夢を呼んだ。
9回表。5点差もあって、先発の完投も目前だったのに。
満塁弾を浴びて5対4、すなわち1点差に攻め寄られる。
満塁ホームラン。相手の打線がつながった、もしくはこちらのピッチャーが崩れた。どっちでもいい、要は相手のチームが3人も塁に出ていたと言う事だ。
塁に人を溜めて、ここぞと言う時にホームランを浴びせる。効率的で、かつダメージも大きい。
ダメージを受けた日ハム、1点差に詰め寄った近鉄。
当然近鉄に分がある。日ハムは慌ててピッチャーを替えたが、1点失い、5点差あった試合、同点で9回裏を戦う羽目になった。
ホームランは派手で気持ちいい。
だけど、ホームランを何本も打っても試合に負ける事もあるんだ。
5月25日のダイエー戦はシーソーゲームで、同点と言う時にエンジェル・エチェバリア外野手がスリーランを放った。
3点入った。3点のリード。
結局は勝ったと言っても、その後2点を入れられて1点差で辛くも逃げ切り。あのホームランがソロだったらと思うとひやっとする。
その日、エンジェルは誕生日だった。自ら誕生日を祝ったヒーローの言葉が忘れられない。
「前に小笠原と小谷野がいなければただの1点だ。」
5月30日、西武戦で1点ビハインドの9回裏、ソロホームランで食らいつき延長戦へ突入させたのもエンジェルだった。
10回表、西武の満塁ホームランで負けた。
ホームランで考える事の多い5月だった。
さて、5月23日の悪夢の続きは、9回裏で決着を付ける事が出来たのでした。
すなわちサヨナラ、お立ち台は当然サヨナラヒットの小谷野選手。
だけど私の目に焼き付いたシーンは、9回裏、最初の打者である坪井選手がヘッドスライディングをした事なのです。
打球は余り覚えてないし、坪井選手が特別に足が速いとも思わないし、大体ヘッドスライディングするよりも1塁ベースを駆け抜けた方が速いんじゃなかろうか。ヘッドスライディングをする意義とは?
土の球場ならいざ知らず、人工芝の東京ドームで土煙がザザッとあがった。私は動体視力が人並み外れてトロいので、タイミングは微妙に見えた。しかしその土煙の中、審判がセーフのジャッジをした時に、…私は勝利を確信した。
嘘でち。
弱いチームなもので、確信なんてとんでもないが、ま、ベタな言い方をすれば感動した。
何が何でも塁に出てやるって、気迫だとかっちゅー得体の知れない感覚が私を襲った訳だよ。
土でユニフォームの汚れた坪井選手を新庄選手がバントで送る。
小谷野選手のサヨナラヒットは
色々な人が褒めていた。でも前に坪井選手がいなければ、ただのヒットだ。打線がつながったんじゃない、坪井選手が打線を引っ張り、つなげたのだと私は思う。
日本ハムはホームランの多いチームだ。
ダイアモンドを一周して当然とばかりクールに決める。カッコイイ!
だけど、たまに歯をむき出しにして必死な心の内を噴出する。
ほら、また私の心臓わしづかみにしするんだから、もう。