羽根木公園「せたがや梅まつり」

春さればまづ咲くやどの梅の花、独り見つつや、春日暮さむ     山上憶良(やまのうえのおくら)
(春になると、まず咲く我が家の梅の花を、一人で見て春の日を過ごしましょう。)

年のはに、春の来らば、かくしこそ、梅をかざして、楽しく飲まめ     野氏宿奈麻呂(やじのすくなまろ)
(毎年、春がやってきたら、こうして梅を髪に挿(さ)して、楽しく飲みましょう。)
「たのしい万葉集」より

万葉集には、多くの草花が歌われていますが、梅は萩に次いで多く、100以上に歌われているそうです。
まだ寒さが残る早春に咲く梅は清々しいですね。

世田谷にもいくつか梅の見所がありますが、ここ羽根木公園は
特に有名です。小高い山になっているのですが、
その南西斜面にかけて約650本と言われる数の
梅が咲きます。毎年梅の咲く季節になると「梅まつり」で賑わいます。

昭和時代に、俳人で随筆家の中村汀女が羽根木公園の近くの代田
に住んでいました。彼女が主宰した句誌「風花」の門下生
たちが建てて区に寄贈した記念碑が公園の片隅にあります。
外にも出よ ふるるばかりに 春の月  汀女
の句が刻まれています。
このページに載せました万葉集の歌と訳は、
ホームページ「楽しい万葉集」を参照させて
頂きました。ありがとうございました。
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