―外部とのつながりを重視したプログラム―

 入院という閉じられた生活を強いられている患児たち。しかし、病室の窓から眺める「空」は、いつも「そこ」にあり、唯一、外とのつながりを感じさせてくれる存在です。
そこで、イタリア在住のアーティスト・廣瀬智央と患児たちが、お互いに暮らす場所から見える空の写真を写し交換します。いわば、「空の交換日記」。日記とはいうもののあえて言葉は添えません。空だけのイメージの中で、自由に“空”想の世界にひたってもらいます。空の写真を見て、写された場所を地図で探したり、空の周りの風景を想像してみたり、空の俳句を詠んだり、一枚の空の写真からいろいろなことを思い描いてみます。
 空を見つめ、写し、送り、送られてくるのを待つ。お互いに顔は見えないけれど、空だけがお互いをつないでいくのです。


■プログラム内容
<展覧会>

会期:2003年9月25日(木)〜10月10日(金)
会場:大阪市立大学医学部附属病院内各所(3階小児科外来他)
開館時間:午前9時〜午後4時30分
休館日:病院休診日(土・日・祝日)
アーティスト:廣瀬智央(ひろせさとし)
前期アート・プログラムの成果発表として、廣瀬智央とこどもたちの間で交わされた空の写真、ワークショップで作成された子ども達の作品や廣瀬とのコラボレーション作品他、これまでのドキュメント写真を院内各所にて紹介します。

<ワークショップ>
○「そらいろカフェ」
病院を“一つの地域(まち)”と考えた場合、そこには人々が集い談笑する「カフェ」があってもよいのではないか、そんな発想から「そらいろカフェ」は誕生しました。しかし、カフェとはいうものお茶やお菓子はでません。メニューは「空」に関するさまざまな体験プログラムです。

○「そらいろカフェ」実施日
・毎月第2、第4木曜日(午後2時〜5時まで)
・ 場所:プレイルーム

(「そらいろカフェ」メニュー例)
○空の写真を写そう
病棟や病室からみえる空の写真を写して、廣瀬さんに送ります。
こちらは、カフェがオープンしていなくても素敵な空を見つけたらカメラを貸し出しますので、いつでも撮影できます。

○イタリアから届く空の場所を世界地図で探してみる
カフェにきたお客さん(患児)には廣瀬さんの空の写真が1枚プレゼンされます。カフェに貼られた大きな世界地図でプレゼントされた空の場所を探してみます。

○身の回りの空を探してみる
身の回りにもたくさんの空があります。一番身近にあって、たくさんの空が写っているもの。それは雑誌や旅行パンフレットです。見つけた空を切り抜き集めるとスタンプカードに店長がスタンプを押してくれます。カードがいっぱいになると切り抜きをラミネート加工できる特典付き

○空にまつわる俳句を詠んでみる
俳句といってもちょっと変わっています。まず最初の5文字を各自で詠んで、続く7文字を別の人が詠み、最後の5文字をまたまた別の人が詠みつなげていきます。

○不思議な形の飛行機を作って飛ばそう
空を飛ぶものといえば飛行機です。とってもへんてこりんな形をした飛行機を作ってだれが一番遠くまで飛ばせるか競争します。

○木片で街を作ろう
空の下には大阪の街が広がっています。17階の病棟から眺める大阪の街の建物や乗り物はとても小さくて、まるで積み木のようです。そんな発想から木片に色をぬり大阪の街を作ります。